出雲の築地松が松くい虫被害により松枯れしました。
今年は特に被害が多く、あちこちで築地松が枯れています。

長年、伐採搬出をした経験から、ときどき、作業の依頼があります。
今回は4本の築地松の伐採です。
伐採作業はとても危険な仕事で、10年ほど前の労災保険では、水力発電施設、ずい道等新設事業と並んで、すべての職業のなかでもっとも危険な労災保険率の高い仕事でした。

今回は難易度の高い伐採作業です。
一本目は斜め45度ぐらいに傾斜した松を、限られた範囲の方向に伐倒します。
こま口を入れてから、チェンソーを横から突っ込み、蝶番の役目をするつりを適度に残します。
こま口の反対側の表皮に近い木を支える部分の追いづるを残してから、2〜3秒で追いづるをカットして倒します。

二本目は道路の方に傾いているためチルホールで道路の反対方向から引っ張っておき、伐倒します。

倒れはじめると、チルホールのワイヤーがゆるんできますが、片側のつりを多めに残しているので、ピンポイントの狙った方向に倒れていきます。

昭和50年代から平成にかけて、胸高周囲3メートル以上の巨木を50本以上伐採してきました。
神社やお寺の巨木、海岸の断崖絶壁からの巨木の伐倒など、様々なケースでの伐採作業の経験が、今でも役立っています。

残り二本のうち一本は倒すスペースがわずかなため、枝をすべて切り落としてから胴体を宙切りし、短くしてから倒します。
半日ほど高所作業をしていると、しだいに勘がもどってきて、高いところも慣れてきます。

以前は木製電柱用の昇柱機を足につけて、けんをたてて登っていましたが、足場が不安定な所での、チェンソーを使った高所作業のため、一日中登っているとかなり疲れました。

最近は、建築用材にしない部分であれば、長さ40センチ、幅75ミリ、厚さ45ミリの杉材の足場をはしごのように、一段あたり120ミリのビスを4〜5本うって固定します。
この方法は、足場もしっかりしていて命綱のずれもなく、体の疲労も少なくとても安全に作業が進められるように思い、多用しています。
厚皮の材の時などは120ミリのビスでは心もとないので、6寸釘(180ミリ)を打ったりしています。

足場を確保しながら、順序良く枝を切り落とさないと、途中で他の枝に引っかかったりはじいたりして、落下方向がそれたりしますので慎重に計算して作業を進めます。

一本は、すべて枝を切り落とし胴体を宙切りして短くして伐倒しました。

最後の一本は家の上にのしかかっている枝が落とせないためチルホールを3台かけて起こして倒します。
南側は母屋、北側は道路、西側も道路のため、どちらにも倒れないようにし、万全の態勢で限られたスペースに確実に伐倒します。

予定通り、狙った方向に倒すことができました。
晴天の山中での山仕事は、とても気持ちのよいものです。
今回は山中ではなく平野ですが、伐採作業は、とても豪快な仕事で、予定通り倒すことができると爽快な気分になります。
枝を落とし玉切りして丸太を搬出、運搬し、無事すべての作業が終了しました。